2020年2月22日~24日、『フレンドリーカップ2020』が名古屋市の日本ガイシアリーナで開催されました。
この大会は、名古屋市アイスホッケー連盟が主催し「子供たちに試合や交流を通じて、ゲームをする楽しさや勝負に対する姿勢を養い、また、多くの試合経験を通じてアイスホッケーの輪を広げること。」を目的とし、今年が初めての開催された。
カテゴリーはU12(小学4~6年生)とU9(小学3年生以下・クロスアイスゲーム)の2クラス。それぞれ8チームが参加するが、東海エリアのジュニアチームは単独出場ではなく、合同チームで3チーム(Team東海、Team愛知、Team名古屋)に分かれて出場。その他単独チームは、高田馬場アトムズ(東京)、やまびこバスターズ(長野)、アイリンズ(神奈川)、臨海ジュニア(大阪)、神戸ポートアイランドジェッツジュニア(兵庫)が出場した。この8チームが4チームずつに分かれて予選リーグを行い、各予選リーグの上位2チームが決勝トーナメント、下位2チームが順位決定トーナメントに進む。
この大会には、一般的な大会と違った競技規則がある。
・得点者、アシストは記録しない。(ゲームシートがない。)
・ペナルティはピリオド間にPS。(このPSは試合の勝敗に影響しない。)
・ベンチ入りメンバーは順番に均等に出場させる。
・U12カテゴリーはアイシングで交代可能。
・指導者は試合中に決して子どもを怒らない。
このイベントを企画した名古屋市アイスホッケー連盟のK氏が「怒られている子供が良いプレーをしているのを見たことがない。」ということのようだが、私も試合が拮抗してくるとつい子供たちを叱ってしまうことがある。注意しなければ...
ともあれ、3日間で計5試合、関東・信越・東海のチーム対戦できるチャンス。子供たちには楽しみながらも経験を積んでもらいたい。
1試合目は、高田馬場アトムズ(東京)と対戦。高田馬場アトムズは個人のスキルが高い。特にキャプテン#20は、スピードとテクニックに加えサイズもあり、今すぐに中学生の試合に出場しても活躍できそうな選手。その他の選手もスケーティングがしっかりしている。チームとしてもよく訓練されておりレベルが高い。次々と得点を重ねられ終わってみれば0-18の完敗。シュートも1本しか打たせてもらえなかった。この試合で4年生GK#59が本格デビューした。厳しいデビュー戦となったが、好セーブもあった。次の試合が楽しみである。ゲーム後のミーティングでは、Sコーチが「プレーの準備が足りない。どうしたらいいのか自分で考えてプレーしよう。」と話した。
2試合目は、やまびこバスターズ(長野)と対戦。このチームもスケーティングがしっかりしている選手が多いが、1試合目の高田馬場アトムズほどではない。先程の経験が生かせるか。
第1ピリオドは正GK#39の好セーブもあり0-1で終了。正GK#39は1試合目のあと「いっぱい失点して負けたけど楽しかった。」と話していた。レベルの高いシュートを多く受けたことが良い経験になったようだ。2試合目の第1ピリオドは集中力が高く、反応が早く感じた。第2ピリオドはGKを#59に交替。1試合目よりも動きは良いが、上手くパックを繋がれフリーで打たれるとセープは厳しい。0-8で第2ピリオド終了。プレイヤーに「良い位置からフリーで打たれるとセーブは難しい。フリーで打たせないようにプレイヤーも体を張って守ってあげるように。」伝えた。この助言が効いたのか、第3ピリオドは全員で頑張って守り、GK#59と正GK#39で1失点。守りばかりでほとんどスコアリングチャンスは作れなかったが、この2試合を通じてスキルの高い相手に対していかに守るかを勉強できたと思う。明日からの試合に生かしてもらいたい。
大会2日目、予選リーグ最後の相手は、Team愛知。試合前のミーティングではSコーチが「昨日の試合を振り返り、できたこととできなかったことがあるだろうが、失敗を恐れずにチャレンジしよう。」と話した。このフレンドリーカップは勝敗ではなく経験を積むための大会。どんどんチャレンジしてもらいたい。
この大会3試合目になって初めて試合らしい試合(笑)。第1ピリオドは1点を失ったもののシュートは5本打てた。1失点もDFのゴール前のマークミスであり原因がはっきりしている。第1ピリオドは互角の試合ができた。しかし、第2ピリオドは攻め込むことができずシュート数は1本。GK#59は9本のシュートを2失点に抑え、第2ピリオドは0-3で終了。第3ピリオドはGK#59が2失点、正GK#39は無失点であったが、得点は奪えず、0-5で試合終了。予選リーグを4位で終えた。
順位決定トーナメント1試合目の相手はAグルーブ3位のTeam東海。試合前のミーティングではSコーチが「反省・計画・実行、自分なりに答えを出すように。」と話した。この大会を通じて、Sコーチは選手に自分で考えてプレーすることを求めているが、選手は理解しているだろうか?
第1ピリオドは正GK#39が8本のシュートを2点に抑えたが、1失点目はGKの位置取りが甘く、角度の無いところから決められた。2失点目はゴール前のフリーのプレイヤーにパスが渡りワンタイムで決められた。パス・シュート共に良かったといえばそれまでだが、やはりDFのゴール前のマークの甘さが原因。今後の課題である。またシュートは2本しか打てなかった。いかにシュートに繋げる展開を作るか、これは従前からの課題である。第2ピリオド、GK#59に交替。3点を奪われ0-5となったが、A-zoneでCF#4がDF#6にパス、DF#6のシュートをゴール前のFW#11がデフレクッションし、今大会待望の初ゴール!得点をすると動きが変わる。次は、A-zoneコーナー付近からFW#11からCF#4にパスが繋がり、CF#4が落ち着いてGKをかわしてゴール!もう1点といきたいところだが逆にゴールを奪われて2-6で第2ピリオド終了。第3ピリオドはFW#11がFW#74のアシストでこの試合2得点目をあげるが、2点を奪われて3-8で試合終了。3得点は嬉しいが、失点のほとんどがフリーでシュートされおり、その原因はDFがパックを奪いにいってかわされる、大事なところで転ぶ、FWのバックチェックが間に合わず振り切られるなど、スケーティング・スキルの未熟さであった。スケーティング練習は毎回練習で行っているがなかなか上達しない。「上手くなりたい。」という気持ち、意識の高さの問題と言ってしまえばそれまでだが、指導者は意識を高く持たせるための工夫をしなければならない。指導者の意識の高さも求められる。
大会3日目、7・8位決定戦の相手は、Team名古屋。この大会最後の試合。これまでの4試合の経験を生かしてもらいたい。
第1ピリオドはお互いに無得点。GK#39が4本のシュートをセーブ。第2ピリオド、この大会はじめて先制する。CF#4のシュートが相手DFのスティックに当たってゴール。しかしすぐに追い付かれて1-1の同点にされるが、FW#11がゴール裏からラップアラウンドする技ありの得点で2-1と勝ち越し。その後2点を失い、第2ピリオドは2-3で終了。第3ピリオド、「勝敗ではなく経験を積むための大会。」と言いながらも、試合になればやっぱり負けたくない。ついつい声が大きくなる(笑)。追い付けば勢いがついて逆転もある。しかし、Team名古屋に試合巧者ぶりを発揮され失点を重ね2-6と引き離される。特にTeam名古屋の6点目はパス良し、シュート良しのファインゴール。うちのFWも見習って欲しい。結局、1点を加えたものの3-8で試合終了。
5戦5敗、選手もスタッフも自分たちの未熟さを思い知らされた結果となった。Sコーチが「反省・計画・実行、自分なりに答えを出すように。」と話したが、答えは出ただろうか、答えは出なくても得るものはあっただろうか、今回の大会がそれぞれにとって有意義なものになるかどうかは、これからのそれぞれの行動にかかっている。練習、試合で気持ちを見せてもらいたい。
同時に開催されたU9クロスアイスゲームは、予選リーグは1分2敗で4位、順位決定トーナメントは1試合目を1-0で勝利し、5位決定戦は1-3で敗れて6位となった。GK#32の頑張りでどの試合も好ゲームとなったが、U12同様にスケーティング・スキルに差を感じた。小学3年生以下の子供たちにはホッケーを楽しませながら基本的なスキルの基礎を身に付けさせる必要がある。コーチ陣は練習でも子供たちが飽きないように様々な工夫を凝らしているが、子供たちの将来を考えると、基本的な技術は丁寧に時には厳しく指導する必要がある。試合を見ながらそんな事を思った。
ところで、この大会期間中、子供たちには「ブラインドサッカー体験」や「製氷車の話」、保護者と指導者向けには「コーチング心理学」などの企画が催された。タイトなスケジュールのなか、このような企画を実施することは大変なご苦労であったと思うが、主催者のこの大会を開催した思いが感じられた。
また、この大会は新型コロナウィルスの感染拡大が懸念され、様々なイベントが中止や延期されるなか、各チームには事前に感染予防に対する周知がなされ、リンクの入口には手指消毒用のアルコールが、トイレには手洗い用の洗剤が設置されるなど、できる限りの感染予防対策を講じて開催された。主催者並びに関係各位の努力に心より感謝したい。
フレンドリーカップが来シーズン以降も開催され、当チームが参加させていただけることを切に希望する。