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第5回ヘルスピアカップ(その2)

2019年7月15日、『第5回ヘルスピアCUP』大会3日目。

準決勝は、香川ジュニアとの対戦。香川ジュニアは全員がよく走るチーム。特にDF#37は体格も良く、スピード・パワー・テクニックを兼ね備えた選手。カイザーズ戦同様にFWが諦めずに走ってプレッシャーをかけ続け、粘り強くプレーすること。別山の準決勝では、韓国から参加の『ソンナム・アイアンイーグルス』がリードしている。よく訓練された良いチーム。少数精鋭でスキルも高い。ぜひ対戦したい。準決勝に勝利し、決勝で対戦するぞ!と気勢をあげた。

第1ピリオド、DFのはずの#37がCFで出場。試合時間が短いので、早めに得点を取ってゲームを優位に進める作戦だろう。立ち上がりを凌いでペースを掴みたいところだが、#37を中心に攻め込まれる。3:02 #37にきれいに決められる。ここで#37がDFに下がる。相手の狙い通りにさせてしまったが、試合は始まったばかり。「気にするな!ここから!」と声を掛ける。その後も全体に押され気味ではあるが、正GK#39を中心に守り、カウンターで攻め込むも得点できず、0-1で第1ピリオド終了。シュート数は5本対5本と互角。

先制されたが内容は悪くない。慌てずにまずはピリオドの立ち上がり3分に集中すること。GKを4年生SGK#29に交代。フリーで打たせたいように指示した。

第2ピリオド、やや押され気味の展開。香川ジュニアの選手のフォア・チェックの出足が良い。なかなか自由にさせてもらえない。16:43 香川ジュニア#37からのパスをゴール前でフリーになった#31に決められる。4年生SGK#29は見えていたようだが反応できなかった。「仕方がない!時間はまだ半分以上ある。慌てるな!次のプレーに集中しろ!」と激を飛ばす。19:42 パワープレイのチャンス。攻め込むがシュートすら打たせてもらえない。

その後も一進一退の攻防が続き、0-2で第2ピリオド終了。シュート数は3本対4本。

残り12分、早めに1点取らないと逃げ切られる。#37はアイスタイムが長いが、出場していない時間もある。その時しかチャンスはない。次の1点がポイントになる。立ち上がりから集中してプレーするように指示した。

第3ピリオド、立ち上がりから両チームとも攻守の切り替えが早く、チャンスを作れない。香川ジュニア#37は無理せずアイシングを取り、時間を上手く使っている。なかなかの試合巧者。第3ピリオドになっても香川ジュニアの選手のフォア・チェックの出足は衰えず、容易に攻め込ませてくれない。エースCF#4に対しては特に寄りが早い。1番手が抜かれても2番手が早く、自由にさせてもらえない。時間が刻々と過ぎていく中、33:15 DF#6が持ち上がり、A-Zoneに入り右45°ぐらいの角度からミドルシュートを放ったところ、そのままゴールに吸い込まれる。ゴール!あと1点!残り時間約2分、スペシャルセットで攻勢をかける。残り約1分、GKをベンチにあげて6人攻撃を仕掛けるもゴールを奪うことができずタイムアップ。プレッシャーが早い相手に対して対応できなかった。時期的に試合を想定した練習を行っておらず、試合の中で臨機応変に対応するのは難しい。しかし、最後まで諦めずにプレーして1点差に追い詰めたこと評価に値する。選手に次の3位決定戦に向けて体を休めるように伝えた。

3位決定戦の相手は、倉敷ジュニアIHC。ホストチームとして負けられないと思っているはず。こちらも準決勝は惜敗したが、選手の士気は上がっている。この試合に勝って気持ちよく帰りたい。倉敷ジュニアもGKがいい。当チームと同じ5年生でお互いに意識している相手。一発では決められないGK、シュートをしっかり枠内に打って、ゴール前に詰めてリバウンドを叩くよう指示した。

第1ピリオド、00:27 いきなり失点。あっという間の失点に選手もベンチも言葉を失う。「落ち着け!切り替えろ!バタバタするな!」と叫ぶ。3:50 パワープレイのチャンス、スペシャルセットを送り出す。4:54 エースCF#4がGK左サイドで2度、3度とリバウンドを叩きパックをねじ込む。同点!試合は振り出しに戻った。ゲームの流れはこちらにある。一気に追加点を奪いたいところ。10:13 再びパワープレイのチャンス、攻め込むが得点を奪えず、1-1で第1ピリオド終了。シュート数は5本対3本。2度のパワープレイもありパックを支配しているがシュート数が少ない。相手はゴール前で小さく守っており、正面からのシュートは体に当たってしまっている。無理やりシュートせずに、サイドから角度をつけてシュートすること。ゴール前に入るFWはいつでもリバンドを叩けるように集中して、準備しておくように指示した。

第2ピリオド、GKを4年生SGK#29に交代。立ち上がりから攻撃を仕掛ける。相手の守りが小さいため、DFがフリーになる。DFからシュートを放つも精度が低く、枠を捉えられなかったり、相手選手に当ててしまう。19:18にパワープレイのチャンスを迎えるが相手GKの好守に阻まれ、ゴールを奪えないまま1-1で第2ピリオド終了。シュート数は8本対2本。押し気味の展開だが相手のゴール前を崩せない。むやみにシュートを打たずにA-Zoneのコーナーでパックをキープし、相手選手をゴール前から引きずり出すように指示した。

第3ピリオド、開始から攻める。27:00 #24がゴール右の至近距離からシュート!相手GKの狭い隙間をすり抜けてパックはゴールに!待望の勝ち越し点!一気に攻めて追加点を奪い、ゲームを決めたいところ。さらに攻勢をかけるがなかなか追加点を奪えない。それどころか34:22一瞬の隙をつかれて失点。同点に追いつかれる。残り時間1分30秒、両チームともに得点できず、試合はサドン・ビクトリー方式のPSSに。サドン・ビクトリーであるが3人までは同じ選手を出すことができない。

先行ジェッツJr.の1番手はもちろんエースCF#4。落ち着いている様子でスタート。#4はライトハンド、GK手前でバックハンド側にフェイント、フォアハンドに戻してシュート、パックはGKの左脇下を抜けていく。ゴール!ハイタッチで迎える。倉敷ジュニアの1番手はキャプテン#23、セーブすれば勝利、正GK#39に託す。倉敷ジュニア#23まっすぐにゴールに向かってくる。ゴール正面スロットエリアからGKの左肩口にシュート。キャッチング・グローブに当たったパックはそのままゴールに。少しポジションが低かったか。悔しがるGK。

ジェッツJr.の2番手#24・3番手#11、倉敷ジュニアの2番手#19・3番手#9はともに決められず、ジェッツJr.の4番手はエースCF#4。ゴール左サイドから右サイドに流れながらゴールに向かっていく。前回の対戦で左脇下に決められている相手GKは同じパターンを警戒してかポジションがやや左寄りになっている。#4はそこを見逃さず、今度はGK右サイドに素早くシュートし、鮮やかにゴール!再びリード!

倉敷ジュニアの4番手はキャプテン#23、前回は左肩口に決められている。前回同様まっすぐにゴールに向かってくる。フェイクせずにゴール正面スロットエリアからシュート。正GK#39はしっかりと正対してセーブ!ベンチから選手たちがGKのもとに駆け寄る。勝った!と誰もが思ったその時、レフリーが選手たちにベンチに戻るよう指示し、ベンチに向かってくる。「GKがクリーズを離れるのが早かった。」とのこと。ノーカウント、やり直しになった。倉敷ジュニアは命拾いだが、GKはもう一度スイッチを入れ直さねばならない。大人でも難しいと思うが「仕方がない。大丈夫。落ち着いて!」と声を掛ける。お互いのベンチからも「頑張れ!」の声が飛ぶ。レフリーのホイッスルが鳴る。倉敷ジュニア#23スタート。GK#39今度はパックタッチを確認してからクリーズの前に出る。倉敷ジュニア#23が近付いて来る。今度はスロットエリアから打たない、パックを動かすが流れる。GK#39は正対できている。セーブ!再びベンチから選手たちがGKのもとに駆け寄る。難しい状況の中守り切ったGK#39を全員が称える。

4試合のうち3試合が1点差のゲーム。新チームになって初めての大会。昨シーズンはあまり試合に出られず、試合経験の少ない選手がタイトなゲームを経験できた意味は大きい。しかし、主力選手とそれ以外の選手ではアイスタイムに差がある。大事な場面で出場できなかった選手、アイスタイムが少なかった選手はこの状況に何を思うのか。シーズン・インまで約3カ月。それぞれの努力と成長に期待している。