2019年9月21日、ひょうご西宮アイスアリーナに名古屋サウスクラブを招いて小学生高学年の練習試合を行った。名古屋サウスクラブは1975年創部の歴史あるチーム。9月7日にさざなみ交流戦で対戦し、『走るところはしっかり走り、パスするところはパスができる、まとまった良いチーム』という印象を持ち、是非もう一度対戦したいとお誘いしたところ、快く引き受けてくださり、遠路西宮まで来ていただきました。
この日は朝の練習の後、さざなみ交流戦での名古屋サウスクラブとの対戦を教材にビデオミーティングを行った。ビデオで見るとよくわかる。パックに寄り過ぎポジションを守っていない、パスができない(しない)、サポートがない(遅い)など反省点が多い。特徴的なプレーについて動きを確認したが今夜の練習試合に生かせるかどうか。
名古屋サウスクラブのIマネージャーの提案で、試合前の練習は両チームで全面を使って実施した。わずか10分間であったが、両チームの距離が縮まる良い試み。
第1ピリオド開始。最初の得点は名古屋サウスクラブ、ジェッツのシュートリバウンドを自陣から持ち込んでシュート、そのリバウンドを叩いてゴール。ジェッツDFが2人ともパックキャリヤーに寄ってしまい、逆サイドがフリーになった。ジェッツもすぐさま反撃。自陣フェイスオフからFW#11がサウスDFの裏にスルーパス、CF#4が走り込んでパックを取り、DFを振り切って落ち着いてGKをかわしてゴール!FW#11はいつもなら自分で持ってDFをかわそうとするが、CF#4の動きを見てのスルーパス、早速ビデオミーティングの成果が出た。ベンチに帰って来たFW#11は満足げな表情、パスの威力が少し理解できた様子であった。全体的に名古屋サウスクラブの動きいい。DFからFWに良いパスが出ている。N-zoneでのD-D間パスからのリグループもパスのリズムが良く、しっかり繋がっている。次の得点は名古屋サウスクラブ、ジェッツFWがA-zoneでパックを奪われ、そのまま持ち込まれてシュートされ、リバウンドを叩かれた。1失点目同様シューターの逆サイドの相手FWを全くマークしていない。パックキャリヤーに対しているDFが1on1で抜かれるため、もう1人のDFがパックキャリヤーに寄ってしまう。DFの1on1は課題だが、DFが弱いのは織り込み済み。FWがバックチェックで追い込み、相手を自由にさせないようにしなければならない。次の得点も名古屋サウスクラブ、D-zoneでフェイスオフを取られ、ミドルから肩口に決められる。誰も詰めずにフリーでシュートを打たせた。GKのポジションも少し低かった。第1ピリオドは1-3で終了。リバウンドをフリーで叩かれている。DFはパックウォッチャーにならないようにすること。FWは中途半端なプレーでパックを奪われている。いつもよりパスの意識は感じるがタイミングが遅い。プレーの意思表示をはっきりするように指示した。
第2ピリオド、サウスに4点目を奪われる。A-zone手前でオープンにパスされ、DFが振り切られたためもう1人のDFがパックキャリヤーに寄ってしまう。そのまま遅れてゴール前に入って来たサウスFWにパスされ1発目はセーブするもリバウンドを叩かれて失点。ゴール前に入って来たサウスFWに対して誰も何もせずではGKはたまらない。ジェッツの2点目はサウスのクリアパックをCF#4がA-zone内で押さえてすぐに打ったシュートがそのままゴール。ラッキーなゴールで2-4。練習試合なので勝ち負けは気にしないが、ゲームの流れを考えると次の1点が大事。ラッキーなゴールが入ったので勢いに乗ってもう1点といきたいところだが、A-zoneでパックを奪われ攻め上がられる。DF2人が下がり切れずに抜かれ、FWのバックチェックも間に合わず決められる。サウスFWの攻め上がりが速く、DFが対応できない。DF2人が同じ高さに位置しているため2人とも振り切られる。相手のスピードに対して自分のスケーティングスキルを考えた距離がわかっていない。日頃の練習時から『距離感』を意識していない証拠。いい勉強になったことだろう。さらに勉強は続く。センターサークルでのフェイスオフ、サウスCFに持ち込まれる。ジェッツDFはパックを狙ってあっさりかわされシュートを打たれた。GK右肩口に決まる見事なシュート。フェイスオフ直後、止まっている状態からの下がるタイミングの判断、体を見ながらスティックを合わせて下がるといったDFの基本がわかっていない。2-6で第2ピリオド終了。
第3ピリオド、ジェッツの3点目はスペシャルライン。D-zoneでのフェイスオフをCF#24が取ってドライブ。A-zoneブルーライン手前でFW#74にパス、パスを受けたFW#74のシュートはゴールを外れたが、CF#24が走り込んでこのパックをキープ、遅れて入って来たFW#4にパス、FW#4からゴール前フリーのFW#11にパックが繋がり、FW#11がゴール!サポートがしっかり決まったファインゴール!こういうパックが繋がったゴールはチームの連帯感と士気を高める効果がある。続けてジェッツの4点目はDF#21がD-zoneでパックを奪って持ち上がり、A-zoneブルーライン手前でエースCF#4にパス、CF#4がサウスDFをかわしてゴール!これで4-6になったが、その後2点を奪われ、結局4-8で試合終了。しっかりと走ってパックを繋いでくるサウスFWに対し、DFが対応できず、FWもサポートできなかった。シーズンインを前にしてはっきりと守りの課題がわかった試合になった。しかし、はたして選手はこの試合の内容をどう受け止めただろうか。自分自身の課題、チームの課題に気付けただろうか。自身で感じ、考えて行動しなければ我々スタッフがいくら言っても同じことを繰り返すだろう。プレーするのは自分、自分のプレーに責任を持つことができなければ、チームで信頼は得られない。このことに気付いてほしい。
試合終了の挨拶のあと、両チームの選手が握手の列を作った。活躍し誇らしげに胸を張る者、満足のいくプレーができず悔しがる者、次回の対戦に雪辱を誓う者、選手それぞれ様々な思いがあるだろうが、互いの健闘を称えることは忘れてはならない。ベンチから氷上の光景を見ながら、自分自身にも言い聞かせた。
最後になりましたが、急なお誘いにもかかわらず、遠路お越しいただいた名古屋サウスクラブの皆様に心から感謝いたします。これからも交流を続けていただければ嬉しく思います。