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2019 アトム杯(その2)

 2019年4月3日、アトム杯決勝戦。
 対戦相手は西宮IHC。お互いに初優勝がかかる一戦。
 この試合、昨日の準決勝は出場させてあげられなかったSUBGK#29を先発起用。正GK#39に比べると不安はあるが、タイトなゲームを経験することで選手は成長する。#29と共に全員が体を張って守るように指示。優勝してジェッツJr.の歴史に名を刻もうと選手を鼓舞して試合に臨んだ。
 第1ピリオド、選手の動きは悪くない。全体的には押している。惜しいシュートもあるが決まらない。守りはフリーでシュートを打たせないようにしている。0-0で第1ピリオド終了。シュート数は6本、西宮IHCのシュートは1本に抑えた。上々の立ち上がり。全員でGK#29をベンチに迎え、笑顔で正GK#39にあとを託す。
 第2ピリオドも積極的にプレーして主導権を握りたいところ。16:30 #24がAZのコーナーからゴール向かい、ほとんど角度のない位置からシュートを放つと相手GKの右肩口のわずかな隙間をすり抜けてゴール!ラッキーゴール!ゴールマウスの内側にシュートを打てば何かが起こる。運も味方につけて畳みかけたいところ。しかし、18:23 スピードに乗ってゴール裏を回られ、DFがついていけず、スロットエリアに回り込まれて肩口にシュートを決められ同点にされる。先制から53秒後、ここで相手を勢いに乗せる訳にはいかない。「気にするな。ここから!」と声を掛ける。その後は一進一退の攻防が続くもどちらも決め手を欠き、1-1で第2ピリオド終了。シュート数は7本、西宮IHCは6本と互角。
 この展開で負けるわけにはいかない。第3ピリオドは主力メンバーを中心に変則の2セットで回す。試合に出られないメンバーにはしっかりゲームを見ておくこと。またしっかり応援するように伝え、主力メンバーには「あと15分、最後まで足を止めないこと。自分たちの力を信じてプレーしよう!勝つぞ!」と気合をいれる。
 第3ピリオド、よく走っている。FWのフォアチェックとバックチェックが効いている。流れはこちらに向いている。33:16 DFの要#6がAZ高めから持ち込む。相手GKのポジションが低い。コースが空いている。シュート!ゴォォール!勝ち越し。このリンクはベンチのすぐ後ろにスタンドがある。頭の後ろで大歓声が聞こえる。負けないように「次のワン・プレーが大事。集中!」と大声で叫ぶ。まだ時間は12分近くある。守りに入っては付け込まれる。もう1点欲しいところだが、焦りからのミスは禁物。選手は懸命にプレーしているが、慌てて適当にパックを放してしまうことがある。Sコーチが「内側で守って。外から。外から。」と選手に声を掛ける。何とかこの痺れるゲームを少しでも多くのメンバーに経験させてあげたい。幸い相手の攻撃は単発で分厚くない。主力メンバーのうちFWをひとりだけ順に交代させる。わずかな出場時間だが何かを感じて欲しい。お互いに得点がないまま時間が経過していく。44:08にDF#8がペナルティを犯す。最後の山場が訪れる。相手はGKをベンチに上げ6人攻撃を仕掛けてきた。リンク内の選手に「慌てるな。キープしろ。」と声を掛ける。フェイス・オフ。コーナーにパックが流れる。両チームの選手がパックを奪い合う。お互いにキープできない。パックが落ち着かない。時間が過ぎていく。カウント・ダウンが始まる。10,9,8…3,2,1 試合終了!選手がGKのもとに駆け寄り抱き合う!ベンチからも飛び出し、ゴール前で喜びを爆発させる!ベンチでスタッフと握手を交わす。
 僅差のゲームだったが、昨日の苦しみながらの勝利がいい経験になったのだろう。落ち着いてプレーしているように感じた。
 試合後の記念撮影、選手たちの誇らしい笑顔。
 神戸ポートアイランドジェッツジュニアの歴史に新しい1ページが加わった。